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確率の問題
白球, 赤球, 青球, 黒球それぞれ2個ずつ, 合計8個の球を, 無作為に左から順に横1列に並べる。以下の問いに答えよ。
(1) 白球が隣り合わず, 赤球も隣り合わない確率を求めよ。
(2) 青球が隣り合い, 白球は隣り合わず, 赤球も隣り合わない確率を求めよ。
(3) 青球が隣り合わないとき, 白球は隣り合わず, 赤球も隣り合わない確率を求めよ。
ベン図やド・モルガンの法則を使ったりする問題かなと思っているのですがさっぱりです。
解説をお願いします。
回答
こんにちは。
(3)は「青球が隣り合わないとき,」がちょっと気になります。「隣り合わず」ではないのですね。「隣り合っているという状況のもとで」という条件付き確率なのか。問題文そのものでないようなら、そのままの文を教えてください。
(3)の返事を待って、後ほど回答しますね。
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16:30
返事が来ないので、(1)(2)の方針を書きますね。途中の計算はやってください。うまくゆかない時や私の計算間違いを発見したときは言ってください。
それから、使う道具として、「同じものを含む順列の公式 $\dfrac{n!}{p!q!r! \cdots}$ …① や
要素の個数の公式 $n(A\cup B)=n(A)+n(B)-n(A \cap B)$…②
$n(A\cup B \cup C)=n(A)+n(B)+n(C)-n(A \cap B)-n(B \cap C)-n(A \cap C)+n(A \cap B \cap C)$ …③
などを使います。それらに関しては教科書を読んでくださいね。
(1)2通りのやり方があります。問題文通りに場合の数を求めていくやり方と、全体の場合の数(確率でやる時は1)から余事象「白か赤の少なくとも片方が隣り合っている」の場合の数(確率でもいい)をひく、というやり方です。両方書きますね。
(A)(前者)まず青と黒を並べます。並べ方は $\dfrac{4!}{2!2!}$ 通り。そこにまず白を追加します。白が隣り合わないためには、すでに並んでいる4個の間と両脇の5ヶ所から白を入れる場所を選ぶので$_5 C_2=10$ とおり。その後、赤を隣り合わないように入れるのは、すでに並んでいる6個の間と両脇の7ヶ所から赤を入れる2か所を選ぶので $_7 C_2$ 通り。
また白を隣り合わせて並べた後、赤をその間に入れても条件は満たすので、まず白をひとまとめにして青黒が並んでいるところに入れます。入れ方は5通り。次に赤の一つを並んでいる白の間に入れ、もうひとつの赤を入れられる場所は6ヶ所だから6とおり。以上より白も赤も隣り合わない並び方の数は
$\dfrac{4!}{2!2!}×( _5 C_2 ×_7 C_2 +5×6)=1440$ 通り。これを8個すべての並び方 $\dfrac{8!}{2!2!2!2!}=2520$ で割れば、確率=$\dfrac{4}{7}$
(B)次は(後者)でやります。
上の②の式を使います。$ n(A \cup B)$ をもとめてから、全体から引きますよ。あ、Aは「白が隣り合う並びの集合」、Bは「赤が隣り合う並びの集合」です。
n(A)=$ \dfrac{7!}{2!2!2!}$ 、n(B)=$\dfrac{7!}{2!2!2!}$ 、白も赤も隣り合うのはn(A∩B)=$\dfrac{6!}{2!2!}$ 。
これらと②とすべての並びの数 $\dfrac{8!}{2!2!2!2!}=2520$ を使って、「白か赤の少なくとも一方が隣り合う確率」が求められますから、それを1から引きます。1-$\dfrac{3}{7}=\dfrac{4}{7}$
ここまででやっと(1)の解説が終わりました。
では、(2)にいきますよ。
これも(1)のように2通りで求められますが、ベン図を使う方をやりますね。
集合A、Bは(1)と同じ。集合Cを「青が隣り合う並びの集合」とします。
ベン図を書きます。
左右に並べてAとBを少し重ねて書き、下側にCを書くことにして話を進めます。CはA,Bとも重なっています。
(2)の問題は「青が隣り合って」=「集合Cの中」、「白も青も隣り合わない」=「AやBの外側」ですから、求めるところは下の方に出っ張っているところです。「Cの中で、しかもAやBと重なっていないところ」ということ。
その部分の要素(並び)の個数を求めて全部の並びの数 $\dfrac{8!}{2!2!2!2!}=2520$ で割りますよ。(1)と同じような計算は説明を略しますが。
n(C)=$ \dfrac{7!}{2!2!2!}$、n(C∩A)=$\dfrac{6!}{2!2!}$ 、n(C∩B)=$\dfrac{6!}{2!2!}$ 。
白も赤も青も隣り合っている並びの数は、白1個、赤1個、青1個、黒2個の並びと同じだから$\dfrac{5!}{2!}=60$ 。
よって当てはまる並びの数は$ \dfrac{7!}{2!2!2!}-\dfrac{6!}{2!2!}×2+\dfrac{5!}{2!}=330$
n(A∩B∩C)の部分は2回引いてるからあとで1回足しますよ。大丈夫ですか?)
求める確率は $\dfrac{330}{2520}=\dfrac{11}{84}$
(3)「青が隣り合わない」という条件下ですから、全体集合(確率を求めるときの分母にあたる)が変わります。
集合Cの中は考えず、それ以外が全体集合になります。この辺の説明は人によって違います。教科書にある条件付き確率を求める式でもいいのですが、同じことをちょっと視点を変えて説明しています。
この中で、AにもBにも入っていない部分が今考える対象です。結局ベン図からも分かる通り、これは3つの輪の外側になります。
まずCの外側の個数は、n($\overline{C}$)= $\dfrac{8!}{2!2!2!2!} - \dfrac{7!}{2!2!2!}=2205$
外側は全体から初めに書いた③の式に当たる数を引きます。
$ \dfrac{8!}{2!2!2!2!} - (\dfrac{7!}{2!2!2!}×3- \dfrac{6!}{2!2!}×3 + \dfrac{5!}{2!})=1110$
よって求める確率は $\dfrac{1110}{2205}=\dfrac{74}{147}$
計算間違いがあったらお許しを。
これで大丈夫ですか?
これを読んだら、わかったとか、まだこのへんがわからないとか、コメント欄に返事を書いてください。それがないと、書いたものを読んでくれたのか、読んで役に立ったのかも、こちらではわからないので。よろしく。
大変詳しくご回答いただきありがとうございます。 よくわかりました。 (3)は条件つき確率の問題のようです。 青玉が隣り合わないという条件のもとで…という問題です。
わかりました。条件付き確率ですね。
考え方から実際の計算方法までとてもよくわかりました。 大変詳しく丁寧に教えていただきありがとうございました。 また質問する機会がありましたらよろしくお願いします。
お役に立てたならよかったです。またどうぞ。