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微積(追加)

    6E30茂木 音弥 (id: 1979) (2024年5月2日20:41)
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    画像の右下の青字部分についてなのですが、 lim(x→π/2+0) 積分後の関数 ≠ lim(x→π/2-0) 積分後の関数 の時に広義関数を用いる事は不可能ですか。また、そうならばそれを確認するにはどう計算すれば良いでしょうか。

    1714649916692928240396037448670.jpg

    回答

    綾野 穂香 (id: 2794) (2024年5月3日8:50)
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    まず、極限を考える前に注意しなければいけないのは、求まった $$F(x)=\log \left|\dfrac{\tan \dfrac{x}{2}+\dfrac{1}{\sqrt 3}}{\tan \dfrac{x}{2}-\dfrac{3}{\sqrt 3}} \right|+C$$ における積分定数 $C$ は、連続な区間ごとの定数であることです。計算するときは、一つの式にまとめて書いていますが、分割してできる各区間を別々に積分するという考え方を用いているため、それぞれの区間における積分定数は別物です。つまり、より正確に書くと、 $$ F(x) = \begin{cases} \vdots \\ \log \left|\dfrac{\tan \dfrac{x}{2}+\dfrac{1}{\sqrt 3}}{\tan \dfrac{x}{2}-\dfrac{3}{\sqrt 3}} \right|+D_1 \ \left(\dfrac{2}{3}\pi < x < \pi \right) \\ \\ \log \left|\dfrac{\tan \dfrac{x}{2}+\dfrac{1}{\sqrt 3}}{\tan \dfrac{x}{2}-\dfrac{3}{\sqrt 3}} \right|+D_2 \ \left(\pi < x < \dfrac{5}{3}\pi \right) \\ \vdots \end{cases} $$ のようになっています。$D_1$ と $D_2$ は積分定数です。ここで、tan置換によって生じた未定義な点 $\displaystyle x=\pi \ \Big($つまり $\displaystyle \cos \dfrac{x}{2}$ が $0$ となる点; $\displaystyle x=\dfrac{\pi}{2}$ ではない$\Bigr)$ における $F(x)$ の左側極限を計算すると、 $$\lim_{x \to \pi-0} F(x) = \lim_{x \to \pi-0} \left( \log \left|\dfrac{\sqrt 3 \sin \dfrac{x}{2}+\cos \dfrac{x}{2}}{\sqrt 3 \sin \dfrac{x}{2}-3 \cos \dfrac{x}{2}} \right|+D_1\right) = D_1$$ となります。この極限を計算する際に、$\displaystyle \cos \dfrac{x}{2}$ を分母にかけて不定形を解消していますが、$x$ は限りなく $\pi$ に近付くだけで $\pi$ になるわけではありませんので、問題は生じません。同様に、右側極限を計算すると、 $$\lim_{x \to \pi+0} F(x) = D_2$$ となります。このように、両側の極限を計算すると、異なる積分定数が必然的に現れます。そのため、「両側の極限が一致するから接続できる」というよりは、「両側の極限が一致するように積分定数を選べるから接続できる」がより正確な理解です。今回の問題の場合は、$D_2=D_1$ となるよう積分定数を選べば、両側の極限が一致し、$x=\pi$ における $F(x)$ の値を $F(\pi)=D_1$ と定めることができます。 積分定数の選び方が自明でない例としては、$\displaystyle g(x)=|\sin x|, \ G(x)=\int g(x) dx$ とし、絶対値を外すために $-\pi < x < 0$ と $0 < x < \pi$ の区間に分割して積分したとすると、 $$ \displaystyle G(x)=\begin{cases} \vdots \\ \cos x+E_1 \ (-\pi < x < 0) \\ \\ -\cos x+E_2 \ (0 < x < \pi) \\ \vdots \end{cases} $$ となります。$E_1$ と $E_2$ は積分定数です。このとき $\displaystyle \lim_{x \to 0-0} G(x) = 1+E_1, \ \lim_{x \to 0+0} G(x) = -1+E_2$ となります。この場合は、$E_2=E_1+2$ となるよう積分定数を選べば、両側の極限が一致し、$G(0)$ の値を $G(0)=1+E_1$ と定めることができます。 これで、あなたの疑問に答えられているでしょうか?
    6E30茂木 音弥 (id: 1979) (2024年5月3日10:27)
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    ありがとうございます。完全に腑に落ちました!

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