このサイトはお使いのブラウザでは正常に動作しません。Google Chromeなど、別のブラウザを使用してください。
数列?帰納法?積分?アプローチの基準とは?
添付ファイルの問題ですが、一見「数列」に見えますが挫折。それで「帰納法」かと思いチャレンジしましたがn=k+1 の段階で挫折。ヒントを見たらファイルのような「積分」の式がありました。この式と問題のつながりが見えません。どういう構造の問題なのか説明してもらえたら助かります。
回答
こんにちは。
そのヒントの左辺を計算してみれば分かりますが、$\displaystyle \int_k^{k+1} \dfrac{dx}{(k+1)^2}=\dfrac{1}{(k+1)^2}$ となり、これは数列の各項を、ある図形の面積と解釈できることを意味しています。具体的には、$\dfrac{1}{(k+1)^2}$ という項は、直線 $y=0, \ y=\dfrac{1}{(k+1)^2}, \ x=k, \ x=k+1$ で囲まれた図形の面積、つまり長方形の面積となっています。状況を図にすると画像のようになります。曲線は $y=\dfrac{1}{x^2}$ で、青色の部分の面積が $\dfrac{1}{(1+1)^2}+\dfrac{1}{(2+1)^2}+\cdots+\dfrac{1}{(n-1+1)^2}$ です。それに対応して、ヒントの右辺を $k=1$ から $n-1$ まで足し合わせたもの $\displaystyle \int_1^n \dfrac{dx}{x^2}$ は青色の部分と赤色の部分を合わせた領域の面積を表しています。そのため、$\displaystyle \int_1^n \dfrac{dx}{x^2} =1-\dfrac{1}{n}$ を確かめれば証明したい式が得られます。
まさか区分求積法のような曲線と長方形の間のズレに持ち込んでいるのだとは思いませんでした。どうもありがとうございました。よく分かりました。
ウルトラ セブン さん、こんにちは。
ヒントのほうは綾野さんが書いてくれましたので、別のことを書きます。
あなたがトライしている数学的帰納法の方が素直にできそうですよ。
n=kのときの不等式が成立すると仮定して、その不等式の両辺に $\dfrac{1}{(k+1)^2}$ を加えます。…①
同じものを加えたので不等式は成り立っています。その右辺を変形していって $1-\dfrac{1}{k+1}$ と比較するのは大変そうなので、
$1-\dfrac{1}{k+1}$ と $1-\dfrac{1}{k}+\dfrac{1}{(k+1)^2}$ の大小を比較すればいいのです。
そのためには大きそうな方から小さそうな方を引いて結果が正であることを示せばいいですね。
$\left(1-\dfrac{1}{k+1}\right)-\left(1-\dfrac{1}{k}+\dfrac{1}{(k+1)^2}\right)$
のカッコをはずして、分母を $k(k+1)^2$ で通分し、分子を簡単にすれば、あれ!正だ!となります。分母はもちろん正です。
よって$\left(1-\dfrac{1}{k}+\dfrac{1}{(k+1)^2}\right)<\left(1-\dfrac{1}{k+1}\right)$ となるので、①の式とつなげれば、n=k+1のときも成立することが示せますよ。
大した手間ではないので、こちらをお勧めしますが、面積を考えて積分と結びつける方法も時々出てきますので、長方形の面積(1/k²)と曲線の下の面積との比較のほうほうも理解してください。
これで大丈夫ですか?
帰納法は式変形で何とかなるのかと思いましたが、n=k+1 の大小比較は式変形ではなく両辺に同じものを加えた右辺のみの比較・評価というやり方は新鮮でした。どうもありがとうございました。
どういたしまして。またどうぞ。