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点の数
座標平面上で、単位円の内部に含まれる点の個数と、x軸の上側にある点の個数は直感的には後者のほうが多いような気がします。
この直観は数学的に証明できるでしょうか。例えば単位円の内部の点を一対一でx軸の上側の点に対応させるような関数は考えられるのか知りたいです。
自身は大学受験を終えた高3生です。よろしくお願いします。
座標平面上で、単位円の内部に含まれる点の個数と、x軸の上側にある点の個数は直感的には後者のほうが多いような気がします。
この直観は数学的に証明できるでしょうか。例えば単位円の内部の点を一対一でx軸の上側の点に対応させるような関数は考えられるのか知りたいです。
自身は大学受験を終えた高3生です。よろしくお願いします。
この直観は数学的に証明できるでしょうか。例えば単位円の内部の点を一対一でx軸の上側の点に対応させるような関数は考えられるのか知りたいです。
自身は大学受験を終えた高3生です。よろしくお願いします。
回答
H S さん、こんにちは。初めての方ですね。よろしく。
入試は結果待ちなのですね。良い結果が出るといいですね。
さて、その直感は間違っています。個数が無限であるような集合の要素の個数の大小は、有限の時と違います。そのあたりは大学の授業で習うと思います。要点だけ言えば、2つの集合A,Bの要素が1対1対応が可能であれば、その2つの集合の要素の個数(濃度といいます)は等しいと定義します。AとBには1対1対応が存在せず、Aの部分集合とBとは1対1対応が存在するときは、集合Aの方が集合Bより要素の個数は多い(濃度が大きい)と定義します。
この定義自体は有限集合では直感的に成り立つので納得できそうですが、これが無限集合の場合は直感からはずれてきます。
この定義では偶数の集合Aの個数と整数の集合Zの個数は同じになります。整数aに対して偶数2aを対応させるとZとAの間には1対応が存在することが分かるので、両者の要素の個数(濃度)は等しいことになります。実は有理数と整数も1対1の対応が存在して、濃度は同じなんですね。実数は有理数の濃度より大きいです。この辺りのことはネットで検索するとたくさん出てきますよ。
あなたの質問は原点を中心とし半径が1の円の内部の点の集合Aと座標平面の第1,2象限の点の対応です。対応のさせ方はたくさんあるでしょうが、ちょっと作ったものでは、Aの要素を極座標(r、θ)(0<r<1、-π<θ≦π )とし、Bの要素を(x、y)(y>0)としたとき、
$x=\tan \dfrac{\theta}{2},y=-\log r$ という対応をつけると、AとBの要素は1対1対応します。θ=πの時は、まぁ、無限遠点に対応すると考えましょう(汗汗!)。他にも対応のしかたを工夫すれば汗を書かなくても済むことと思います。工夫して作ってみてください。
これでAとBの要素に1対1対応が存在しましたから、AとBの要素の個数(濃度)は同じということになり、あなたの直感は否定されます。
しばし数学を楽しんでください!
これで大丈夫ですか?ここでは会話型を目指しています。これを読んだら、わかったとか、まだこのへんがわからないから説明してほしいとか、コメント欄になにか返事を書いてください。返事がないと、せっかく書いたものを読んでくれたのかどうか、書いたものが役に立ったのかどうか、こちらではわからないのです。コメントよろしく。
H S さん、こんにちは。初めての方ですね。よろしく。
入試は結果待ちなのですね。良い結果が出るといいですね。
さて、その直感は間違っています。個数が無限であるような集合の要素の個数の大小は、有限の時と違います。そのあたりは大学の授業で習うと思います。要点だけ言えば、2つの集合A,Bの要素が1対1対応が可能であれば、その2つの集合の要素の個数(濃度といいます)は等しいと定義します。AとBには1対1対応が存在せず、Aの部分集合とBとは1対1対応が存在するときは、集合Aの方が集合Bより要素の個数は多い(濃度が大きい)と定義します。
この定義自体は有限集合では直感的に成り立つので納得できそうですが、これが無限集合の場合は直感からはずれてきます。
この定義では偶数の集合Aの個数と整数の集合Zの個数は同じになります。整数aに対して偶数2aを対応させるとZとAの間には1対応が存在することが分かるので、両者の要素の個数(濃度)は等しいことになります。実は有理数と整数も1対1の対応が存在して、濃度は同じなんですね。実数は有理数の濃度より大きいです。この辺りのことはネットで検索するとたくさん出てきますよ。
あなたの質問は原点を中心とし半径が1の円の内部の点の集合Aと座標平面の第1,2象限の点の対応です。対応のさせ方はたくさんあるでしょうが、ちょっと作ったものでは、Aの要素を極座標(r、θ)(0<r<1、-π<θ≦π )とし、Bの要素を(x、y)(y>0)としたとき、
という対応をつけると、AとBの要素は1対1対応します。θ=πの時は、まぁ、無限遠点に対応すると考えましょう(汗汗!)。他にも対応のしかたを工夫すれば汗を書かなくても済むことと思います。工夫して作ってみてください。
これでAとBの要素に1対1対応が存在しましたから、AとBの要素の個数(濃度)は同じということになり、あなたの直感は否定されます。
しばし数学を楽しんでください!
これで大丈夫ですか?ここでは会話型を目指しています。これを読んだら、わかったとか、まだこのへんがわからないから説明してほしいとか、コメント欄になにか返事を書いてください。返事がないと、せっかく書いたものを読んでくれたのかどうか、書いたものが役に立ったのかどうか、こちらではわからないのです。コメントよろしく。
入試は結果待ちなのですね。良い結果が出るといいですね。
さて、その直感は間違っています。個数が無限であるような集合の要素の個数の大小は、有限の時と違います。そのあたりは大学の授業で習うと思います。要点だけ言えば、2つの集合A,Bの要素が1対1対応が可能であれば、その2つの集合の要素の個数(濃度といいます)は等しいと定義します。AとBには1対1対応が存在せず、Aの部分集合とBとは1対1対応が存在するときは、集合Aの方が集合Bより要素の個数は多い(濃度が大きい)と定義します。
この定義自体は有限集合では直感的に成り立つので納得できそうですが、これが無限集合の場合は直感からはずれてきます。
この定義では偶数の集合Aの個数と整数の集合Zの個数は同じになります。整数aに対して偶数2aを対応させるとZとAの間には1対応が存在することが分かるので、両者の要素の個数(濃度)は等しいことになります。実は有理数と整数も1対1の対応が存在して、濃度は同じなんですね。実数は有理数の濃度より大きいです。この辺りのことはネットで検索するとたくさん出てきますよ。
あなたの質問は原点を中心とし半径が1の円の内部の点の集合Aと座標平面の第1,2象限の点の対応です。対応のさせ方はたくさんあるでしょうが、ちょっと作ったものでは、Aの要素を極座標(r、θ)(0<r<1、-π<θ≦π )とし、Bの要素を(x、y)(y>0)としたとき、
という対応をつけると、AとBの要素は1対1対応します。θ=πの時は、まぁ、無限遠点に対応すると考えましょう(汗汗!)。他にも対応のしかたを工夫すれば汗を書かなくても済むことと思います。工夫して作ってみてください。
これでAとBの要素に1対1対応が存在しましたから、AとBの要素の個数(濃度)は同じということになり、あなたの直感は否定されます。
しばし数学を楽しんでください!
これで大丈夫ですか?ここでは会話型を目指しています。これを読んだら、わかったとか、まだこのへんがわからないから説明してほしいとか、コメント欄になにか返事を書いてください。返事がないと、せっかく書いたものを読んでくれたのかどうか、書いたものが役に立ったのかどうか、こちらではわからないのです。コメントよろしく。
-π<θ≦π と -π<θ<π が一対一対応するという事実を認めれば、くさぼうぼうさんの方法でも厳密に正しくなります。コメントでは数式をきれいに記述できないため、私の回答で補足しておきます。
こんにちは。
あなたの直感は、単位円を平行移動することでx軸の上側に部分集合として埋め込めるという事実から来ていると思います。これは正しいですが、部分集合としての埋め込みは、全体の個数(濃度)が異なることを意味しません。実際には、あなたの直感に反して、単位円の内部とx軸の上側との間に一対一対応を与える関数が存在します。
説明のため、単位円の内部を $D$、x軸の上側を $H$ としておきます。一対一対応を与える関数を構成する方法はいくつかありますが、複素数平面を用いる方法が簡潔だと思います。複素数平面では、$D$ 上の点は絶対値が $1$ 未満の複素数、$H$ 上の点は虚部が正の複素数として表されます。
一対一対応を示すには、$D$ から $H$ への関数 $f(z)$ と、$H$ から $D$ への関数 $g(z)$ を構成し、それらが互いに逆関数となっていることを示せばよいです。具体的には、$f(z)=i \dfrac{1+z}{1-z}, \ g(z)=\dfrac{z-i}{z+i}$ と定めればよいです。$g(z)$ はCayley変換という名前が付いている有名な関数です。$z$ が複素数であること(定義域が複素数であること)に注意です。
ここで次の三つを示すことによって、$f(z)$ や $g(z)$ が一対一対応を与える関数であることが分かります。
$\textrm{(1)}$ $f(z)$ が確かに $D$ から $H$ への関数であること、つまり $|z|<1$ ならば $\mathrm{Im}(f(z))>0$
$\textrm{(2)}$ $g(z)$ が確かに $H$ から $D$ への関数であること、つまり $\mathrm{Im}(z)>0$ ならば $|g(z)|<1$
$\textrm{(3)}$ $f(z)$ と $g(z)$ が互いに逆関数であること、つまり $g(f(z))=z$ および $f(g(z))=z$
これらの証明は高校数学の範囲で可能ですので、ぜひ試してみてください。
以下、くさぼうぼうさんの回答に関する補足です。
くさぼうぼうさんの回答では、区間 $(-\pi, \pi)$ と実数全体の濃度が等しいことが示されています。これに加えて、区間 $(-\pi, \pi]$ と区間 $(-\pi,\pi)$ の濃度が等しいことを示せば、区間 $(-\pi, \pi]$ と実数全体の濃度も等しいことが分かります。
区間 $(-\pi, \pi]$ から区間 $(-\pi,\pi)$ への関数 $h(x)$ を次のように定めます。$x$ が自然数 $n$ を用いて $x=\dfrac{\pi}{n}$ と表されるとき、$h(x)=\dfrac{\pi}{n+1}$ とし、そうでないとき $h(x)=x$ とします。このとき、$h(x)$ の逆関数を具体的に構成できるため、$h(x)$ は一対一対応を与える関数です。一般に、実数の区間に一点を追加しても濃度は変わりません。
こんにちは。
あなたの直感は、単位円を平行移動することでx軸の上側に部分集合として埋め込めるという事実から来ていると思います。これは正しいですが、部分集合としての埋め込みは、全体の個数(濃度)が異なることを意味しません。実際には、あなたの直感に反して、単位円の内部とx軸の上側との間に一対一対応を与える関数が存在します。
説明のため、単位円の内部を 、x軸の上側を としておきます。一対一対応を与える関数を構成する方法はいくつかありますが、複素数平面を用いる方法が簡潔だと思います。複素数平面では、 上の点は絶対値が 未満の複素数、 上の点は虚部が正の複素数として表されます。
一対一対応を示すには、 から への関数 と、 から への関数 を構成し、それらが互いに逆関数となっていることを示せばよいです。具体的には、 と定めればよいです。 はCayley変換という名前が付いている有名な関数です。 が複素数であること(定義域が複素数であること)に注意です。
ここで次の三つを示すことによって、 や が一対一対応を与える関数であることが分かります。
が確かに から への関数であること、つまり ならば
が確かに から への関数であること、つまり ならば
と が互いに逆関数であること、つまり および
これらの証明は高校数学の範囲で可能ですので、ぜひ試してみてください。
以下、くさぼうぼうさんの回答に関する補足です。
くさぼうぼうさんの回答では、区間 と実数全体の濃度が等しいことが示されています。これに加えて、区間 と区間 の濃度が等しいことを示せば、区間 と実数全体の濃度も等しいことが分かります。
区間 から区間 への関数 を次のように定めます。 が自然数 を用いて と表されるとき、 とし、そうでないとき とします。このとき、 の逆関数を具体的に構成できるため、 は一対一対応を与える関数です。一般に、実数の区間に一点を追加しても濃度は変わりません。
あなたの直感は、単位円を平行移動することでx軸の上側に部分集合として埋め込めるという事実から来ていると思います。これは正しいですが、部分集合としての埋め込みは、全体の個数(濃度)が異なることを意味しません。実際には、あなたの直感に反して、単位円の内部とx軸の上側との間に一対一対応を与える関数が存在します。
説明のため、単位円の内部を 、x軸の上側を としておきます。一対一対応を与える関数を構成する方法はいくつかありますが、複素数平面を用いる方法が簡潔だと思います。複素数平面では、 上の点は絶対値が 未満の複素数、 上の点は虚部が正の複素数として表されます。
一対一対応を示すには、 から への関数 と、 から への関数 を構成し、それらが互いに逆関数となっていることを示せばよいです。具体的には、 と定めればよいです。 はCayley変換という名前が付いている有名な関数です。 が複素数であること(定義域が複素数であること)に注意です。
ここで次の三つを示すことによって、 や が一対一対応を与える関数であることが分かります。
が確かに から への関数であること、つまり ならば
が確かに から への関数であること、つまり ならば
と が互いに逆関数であること、つまり および
これらの証明は高校数学の範囲で可能ですので、ぜひ試してみてください。
以下、くさぼうぼうさんの回答に関する補足です。
くさぼうぼうさんの回答では、区間 と実数全体の濃度が等しいことが示されています。これに加えて、区間 と区間 の濃度が等しいことを示せば、区間 と実数全体の濃度も等しいことが分かります。
区間 から区間 への関数 を次のように定めます。 が自然数 を用いて と表されるとき、 とし、そうでないとき とします。このとき、 の逆関数を具体的に構成できるため、 は一対一対応を与える関数です。一般に、実数の区間に一点を追加しても濃度は変わりません。