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二項定理について
二項定理の一般項の導き方に悩んでいます。
二項定理が、(a+b)をn回掛けた時の式の展開であることは理解しました。
ただテキストには、「n個の(a+b)から、aをn-r個、bをr個とってそれらを掛け合わせて得られる項をすべて加えわせたもの」とあります。
不明点は、
aをr個、bをn-r個として、も良いのかということです。
また、なぜ係数がnCr となるのかも分かってません。
お忙しいところ、大変稚拙な質問で申し訳ございませんが、
ご教示いただけると嬉しいです。
回答
U S さん、こんばんは。
2項展開の一般項の書き方はいろいろあります。
n=3のときのa²bの係数でやってみましょうか。
$(a+b)^3=(a+b)(a+b)(a+b)=$
これを総当たり方式で展開しますと…
$=aaa+aab+aba+abb+baa+bab+bba+bbb$
$=a^3+a^2b+a^2b+ab^2+a^2b+ab^2+ab^2+b^3$
$=a^3+3a^2b+3ab^2+b^3$
a²bの係数がなぜ3になったか調べると、
$aab,aba,baa$ の3つがあったからですね。
この3種類って、a2個を何番目のカッコで選ぶかということです!
3個のカッコの中からaを選ぶ2個の選び方(組み合わせ)の数 $_3C_2$ が3です!
3個のカッコの中からbを選ぶ1個の選び方(組み合わせ)の数 $_3C_1$ が3と考えても同じです。
また、$ab^2$ の係数も同じになるのはわかりますか?
$(a+b)^6=(a+b)(a+b)(a+b)(a+b)(a+b)(a+b)$ を展開した時の $a^2b^4$ の係数とは、6個の$(a+b)$ のうちのどれか2か所からaを選び、他のカッコではbを選んでできた $a^2b^4$ がいくつあるかということですので、その個数は6個のカッコから2個を選ぶ組み合わせの数 $_6C_2=15$ になるのです。6個のカッコからbを選ぶ4個のカッコを選ぶ組み合わせの数 $_6C_4=15$ でも同じです。ついでに$a^4b^2$ の係数とも同じです。
$(a+b)^n$ を展開した時に $a^{n-r}b^r$ ができるのは、n個の$(a+b)$ のうちのどれか(n-r)個所でaを選び、他のr個の$(a+b)$ ではbを選んで掛け合わせたときですから、その個数はn個のカッコから{n-r)個を選ぶ選び方(組み合わせ)の数になります。よって$(a+b)^n$ を展開した時の $a^{n-r}b^r$ の係数は $_nC_{n-r}$ です!bを選ぶ方で考えても同じで、n個のカッコからbを選ぶr個のカッコを選ぶ選び方(組み合わせ)の数 $_nC_r$ でもいいです。その解説ではbのほうでやってますね。実際、常に$_nC_r=_nC_{n-r}$ は成り立っていますし。
2項定理の一般項の書き方は4通りあって
$_nC_r a^{n-r}b^r$
$_nC_{n-r} a^{n-r}b^r$
$_nC_r a^rb^{n-r}$
$_nC_{n-r} a^rb^{n-r}$
のどれでも大丈夫です。わたしは3番目のが好きで使います。
これで大丈夫ですか?コメント欄になにか返事を書いてください。よろしく。
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追記 2025/06/06 11:00~
コメント拝見。
追加の説明を書きます。
たとえば $(x+2y)^9$ を展開した時の $x^3y^6$ の係数を求めよ、というような問題を解くうえでの一般項は4つの形のどれでも大丈夫です。わたしは3番目の式を使います。ただ、2項定理を式で書き下すとき、aの降べき(aの次数の高い順に書く)で表わすときは、最初が $a^n$ なので、Cのほうを $_nC_n$ から書くか、 $_nC_0$ から書くかの判断によっては1番目の形になることが多いです。公式などではたいてい1番目を使います。またCの証明問題なんかでも1番目の表現の方がうまくいく場合があるので、4つの形のどれも同じことを言っていることを理解して、どの形が出てきても大丈夫な理解が欲しいところです。
4通りあるんですね。 私も3番目が好きです。 理由は、nCrがシンプルで、 aをn-r個と書くよりは、aをr個取り・・、と話を進めた方が自然に感じるからです。 どの4つも意味は同じということを理解しました。 勉強になりました。
追記しました。読んでください。
どの形もパターンが似ているので、覚えやすいことに気づいてきました。 nCr=nCn-r だし、a^nの時は、a^n × b^n-r となり、その逆もある、 という4パターン覚え方なら、すっきりします。 (累乗の表記が表せてなくすみません) 追加で質問させてください。 4つの形は、r=0が始まりということが理由で、 どれも第r+1項目のことを表しているんですよね?
1,2番目の式の一般項はr+1番目の項であってます。3,4番目の式はaの昇べきに並びますので、そこを注意してくれればやはりr+1番目の項です。